Septeto Nacional de Ignacio Piñeiro

[,h120,w160]1990/2 P-VAIN
キューバ音楽(ソン)史上最高の人物であるイグナシオ・ピニェイロ(1888-1969)率いるセプテート・ナシオナールです。*1このアルバムは50年代の録音で、音楽学者オディリオ・ウルファーが廃れ行くキューバ音楽を後世に残すために企画されたもので、当事脱退していたイグナシオ・ピニェイロをクループに出戻らせて、伝統保存セッションを行ったものとの認識があります。そのためにかつて活躍した重鎮のミュージシャンたちが、ソンの真髄を後世に遺すためにひとはだ脱ぎ、レコーディングを行ったというものでもあるため、歴史的価値もあるのではないのでしょうか。これが50年代という話なら、90年代にライクーダが行ったブエナビスタ・・・もこれと同じというか、このウルファーのやったことの焼き直しとでも言えるのではないのでしょうか。少なくともソンの存在が世界中に知れ渡り、メディアとして過去のものが発掘されたことは価値があり、ライクーダが行ったことは、商業的、文化的にも価値のあることだったのではないでしょうか。

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*1:イグナシオ・ピニェイロは1927年結成後34年に経済的理由でこのグループを脱退しているが、セプテート・ナシオナール・デ・イグナシオ・ピニェイロの正式名称で、以後メンバーの変遷はあるがこの名前は引継ぎ、メンバーもそれを誇りに思い活動を行っていた。何はともあれ、このようなリスペクトの気持ちとその音楽を後世に自身をもって伝えていくというミュージシャンシップが何よりも人間として価値のあることと考えられます。・・・ライナーノート:中村とうよう参照