りんごの子守唄 (赤盤)Apple of her eye

2005.11.02リリース
10人の歌姫による夢のビートルズ・ララバイ・カヴァー・アルバム。メンバーは畠山美由紀、Chie、イノトモ原田郁子、noon、中納良恵首里フジコ湯川潮音アン・サリー、山田里香 

曲目

1. Here Comes The Sun / 畠山 美由紀 2. Across The Universe / chie 3. Julia /イノトモ 4. Yesterday / アン・サリー 5. I Will / 原田 郁6. Sun King / noon 7. In My Life - インストゥルメンタル 8. Ask Me Why / ボファーナ 9. Dear Prudence / 中納良恵 10. Honey Pie / 首里フジコ 11. Because / 湯川潮音 12. I’ll Follow The Sun - インストゥルメンタル 13. Goodnight / アン・サリー

今更、ビートルズって訳でもないが、マイケルジャクソンの死がヘビーすぎて・・・、80年代を青春とする僕らの世代は、ビートルズはつまりジョン亡き後、つまり過去のものとして捉え、作品の良さは言わずもがなだが、常に評論もしくは評価を下されたものを受身的に聴いてきた感がある訳でして、こういった作品が今もなお作られることは否定もしませんが、肯定もしません。お世辞ぬきで良いんですよ。ボーカルの女性人も、アレンジも、選曲も、ただ、今はマイケルなんですよ。やはりスリラーから始まった、同時代感が、体に染み込んでいるんで、なぜかこういった優等生的な作品はいまはピンときません。
そういえばマイケルはビートルズの版権を持っていたといっていましたな。ひょっとしてマイケルもビートルズのカバーとかやりたかったのかなー。しかしマイケルのトリビュートて誰かやるのかな?

elliot smith/or

エリオット・スミスがすでにこの世に居ないことについて、語れるほど思い入れは強くないけど、僕らがリアルタイムで聴いたミュージシャンとして、自信を持って薦められる数少ない1人であるという事は分かって欲しかったりします。
そしてエリオット・スミスが世に出るきっかけというのが1997年に公開された映画グット・ウイル・ハンティングで取り上げられたことであります。この作品の監督であるガス・ヴァン・サントが映画の肝に当時単なるローカルミュージシャンであったエリオット・スミスの音楽を選択した事で、彼の素晴らしい作品が、一気に世界中に知れ渡り、彼の人生もガラッと変わってしまった訳でありました(多少、映画の内容とシンクロしますが・・・)。このことがエリオット・スミスにとっては居心地の良いものではなく、彼の死に直結していると単純に考えられるわけでもありますが、彼の繊細な楽曲が、映画的には不可欠なものであったということが全くの皮肉であった訳でもあります。
ポール・トーマス・アンダーソンエイミー・マンの楽曲をモチーフにマグノリアの脚本を書いたと言う事は有名であるし(その後のエイミーマンの活躍は周知の事実ですし)、その楽曲の素晴らしさが、映画にプラスアルファーのサムシングをもたらす事も、分かっている事でありますが、皮肉にもエリオット・スミスの場合は、有名になった事が自らの人生に終止符を打つ引き金になってなってしまったようで、残念でなりません。
実際彼の作品は、繊細で内省的である為か、あまりラジオとかTVといったメディアで流れる機会が少ないし、若い世代のリスナーに新たに好きになってもらうチャンスも少ないのではないかと個人的には思ってしまいます。まあとりあえずアルバム"or"の4曲ほどを取り上げているグット・ウイル・ハンティングのサントラはエリオットスミスを知るきっかけになる作品じゃないでしょうか、映画的にも素晴らしかったし、エリオット・スミスを知らない人には、手に取っていただくには良い最初の1枚じゃないかと思います。

elliot smith/or 1997発売 
1. Speed Trials 2. Alameda 3. Ballad of Big Nothing 4. Between the Bars 5. Pictures of Me 6. No Name No. 5 7. Rose Parade 8. Punch and Judy 9. Angeles 10. Cupid's Trick 11. 2:45 A.M. 12. Say Yes
Good Will Hunting: Music From The Miramax Motion Picture 1997発売
1. Between the Bars [Orchestral] 3. Angeles 4. No Name #3 8. Between the Bars 9. Say Yes 14. Miss Misery


グッド・ウィル・ハンティング [DVD]

グッド・ウィル・ハンティング [DVD]

Either / Or

Either / Or

Donald Fagen/Kamakiriad

1993発売
曲目1. Trans-Island Skyway 2. Countermoon 3. Springtime 4. Snowbound 5. Tomorrow's Girls 6. Florida Room 7. On the Dunes 8. Teahouse on the Tracks

ドナルドフェイゲンの大ヒットアルバム、”ナイトフライ”から10年たって発売された、90年代唯一の作品。情報化社会、夜明け前の為か、ドナルドフェイゲンの名前と、10年ぶりというキーワードのみが先走り、実際の内容が評価されずに、未だ大量に流通されてしまった弊害で、本当に価値が評価されていないと思う1枚です。
僕もこれまでは、PCで聴いたり、ipodで聴いたりと、特に最近この作品自体をちゃんと聴いていなかったんですが、先日、ステレオを購入したので、大きな音量で聴いてみて、このアルバムの完成度に改めて納得してしまいました。スティーリーダン時代や、ナイトフライのような、キラーチューンや、独特の節回しを持った楽曲は少ないと思いますが、かっちりと作り上げているサウンドは健在で、M4.Snowboundなんてもっとパワープレーされて良い楽曲だと思ったりします(十分スティーリーダン時代と並べて聴けますし) 改めて僕自身、90年代にこんな音楽があったという事がひとつ喜びに感じました。
最近SHM-CD で再発されたし、いつかはSHM-CDで聴きたいものです。

KAMAKIRIAD<SHM-CD>

KAMAKIRIAD

Diamond D/Hatred, Passion & Infidelity

1997発売 D.I.T.C.の総裁*1、Diamond Dの2ndアルバム。
HIPHOPっていろんなカテゴリがあり、そのカテゴリによっては同じHIPHOPでもまったく違ったりするわけですが。ちょうどこアルバムが発売された97年ごろってHIPHOPが市民権を得て、HIPHOP自体に気軽に接触できる環境があって、こういったマニア的なCDも一般リスナーが買おうと思う選択肢になっていました。
その内容自体、D.I.T.C.という存在からも、トラックの造りはおいしいネタや、マニアックなブレイクをからめ、十分に堪能できるもので、2009年の現在でも古さは微塵も感じさせず、ソウルマナーにのっとった、クラッシックと呼ぶにはもったいない出来だと思います。こういうのって、またマイクテクニック、HIPHOPフローと言ったラップスキルについても各クルーが、マイクリレーを行うといった豪華なものもありますし、さすがをD.I.T.C.という感じでしょう。
つまりメローでありソウルでありファンキーでありっていうことが、時代の影響を受けながらも、誰でもそうだと思うんですが、JBがファンキーで、マービン・ゲイがソウルフルで、っていう分りきったことに対して、あきらめを多少持ちつつも、自分のソウル、ファンク、メローネスを遺憾なく発揮する男気みたいなのを感じるんですよね。

Hatred Passion & Infidelity

Hatred Passion & Infidelity

*1

*1:D.I.T.C.とは“Diggin' In The Crates"の略、つまり「レコード箱をあさる」という意味。それは、ヒップホップのトラック・メイクに(大抵)必要不可欠なサンプリング・ネタを日夜探しまくるところからネーミングされた。ロード・フィネス、ダイアモンド・D、ショウ&A.G.、バックワイルド、ファット・ジョー、O.C.、ビッグ・L(R.I.P.)というN.Y.を代表する錚々たるメンツにより結成されたスター・プロデューサー/スター・ラッパー集団。ってことからもわかるように”レコードが、そして音楽が好きな奴等”というわけですな。ちょうどこのCDリリースしたころ、ダイアモンドも日本に来て、宇田川町でレコード掘ってたっていってましたしね

HERBERT/ Around The House

[,h150,w200][,h150,w200]
MATTHEW HERBERT のHERBERT名義によるアルバム。1998リリース。
彼の活動や言動、及びこれまでの他のアルバムの実験的要素の高さを考えると非常に聴きやすいという印象、およびハウスミュージックにおける一つの完成形をも見てとれる作品じゃないでしょうか。なによりここでフューチャーされているダニ・シシリアーノ(彼の奥さん?)のヴォーカルが無機質なのに温かさを感じさせ、非常に気持ちが良いです。ジャケ写もあり得ない美女と野獣状態というのも、ほほ笑ましく感じますね。ただこのCDは録音レベルが低いので単体でボリュームを少し上げ気味で聴かないとならないという難点がありますな。もしくは思いっきりヘッドフォンで聴くのがよろしいかと。
それにしてもこの人の活動及び作品は振れ幅が大きく面白いですね。少々頭が薄く、すきっ歯の風貌からは思いもしないアグレッシブな活動をこなしています。新作のBIG BAND名義の作品も聴きたくなってきます。それから彼の音楽制作の信条みたいなもんがありましたんでそれも是非!!

Personal Contract For The Composition Of Music - <音楽制作におけるハーバート一身上の契約書>
[Incorporating The Manifesto Of MISTAKES] - <「誤り、手違い」への声明文を含む>

何時もオリジナルで在るために、その目的、必要、そして願いの書面

1.すでに存在しているサウンドの使用は不可とする。
A.ドラムマシーンの使用は不可。
B.プレ・セット、プレ・プログラムのキーボード・サウンドの使用は不可。

2.制作過程の開始時期に集めたサウンド、又は、そのアーティストが保管する過去に未使用のサウンドのみ、サンプルとして使用出来る。そしてそのサウンドのオーダーやマニプレイションは、楽曲制作の最も重要な作業として扱われるべきである。

3.他人の音楽をサンプリングすることは特に禁止とする。

4.人間の声以外は、生楽器のサウンドの複製は禁止とする。経済的、そして身体的に可能である限り、本物を使うこと。

5.一般的に「アクシデント」として認識されている事柄は奨励される。更に、音楽制作における意図性、計画性、と同等に扱われるべきである。

6.新しい楽曲の制作開始前に、ミキシング・デスクをリセットしてはならない。これは、新しいサウンドにランダムなeqやfxを施すためである。楽曲のオーダーやレコーディングが始まってはじめて、ミキシング・デスクは通常を使用する。

7.全てのfxのセッティングは自ら行うこと。プレ・セット、又は、プレ・プログラムされたパッチの使用は不可とする。

8.それぞれの楽曲に使用された全てのサウンド、そしてその提供元は、1年以内にmatthewherbert.comにて公開される。

9.それぞれの楽曲に使用された全ての機材の詳細は、1年以内にmatthewherbert.comにて公開される。

10.全てのサンプルは、楽曲の完成とともに削除される。

11.リミックスは、原曲を制作したアーティストから供給されたパーツと、そのパーツが収められたメディア、及び、パッケージのみを使用して完成する。

There's Me & There's You

There's Me & There's You

Around the House

Around the House

彼のMY SPACEです。
http://www.myspace.com/matthewherbert

彼の行動みていると、音楽家でもあるんでしょうが、エンジニアとして音を築き上げる部分を非常に重要視しているように見えますが、以下のYOUTUBEのなかでもありましたが彼を知らない人が見たら、音楽を作っているようには見えないんじゃないかなー、特に水の中でドラムの音を録っているのなんて、市役所の役人が水質調査しているのに間違われても仕方がないと思っちゃいます。

HENRI SALVADOR/CHAMBER AVEC VUE

まずはじめにHENRIをヘンリと読まず、アンリと読めたのはフランス代表のアンリ*1が居たおかげです。
このアルバム発売当時83歳、生涯録音曲数約2500曲、素足に革靴、素直にこういう大人ってかっこいいと感じる訳でして。
内容は、ボッサ、ジャズ、発売当時のカフェブームの先駆けを感じます。正直カフェがなければ、こんな音楽知らんかっただろうし、店で音楽聴くなんて言う空間に価値を見出す事もなかったでしょう。それより80歳の老人(こういう偏見はいけないのは承知しているが)が歌っている事がすごく、それが受け入れられるということが作品の素晴らしさ語っているのでしょう(こういうのが出てくることをみてもフランスって国の底力感じます)。・・・・まあでも僕にはわからなかったんですが(つまりBGM)。

2001リリース 1. Jardin d'Hiver 2. Chambre Avec Vue 3. J'Ai Vu 4. Il Fait Dimanche 5. Muraille de Chine 6. Jazz Mediterranee 7. Tour de Manege 8. Vagabond 9. Je Sais Que Tu Sais 10. Mademoiselle 11. Fou de la Reine 12. Faire des Ronds Dans l'Eau 13. Aime-Moi


Chambre Avec Vue

Chambre Avec Vue

*1

*1:ティエリ・アンリのことです、スピードに優れたFWで、フランス代表、アーセナル(プレミア)にて一時代を築く。正直僕のイメージは1998年ワールドカップの時のひ弱な彼があり、現在バルセロナリーガ・エスパニョーラ)でやっている彼に対してピンときません。もうベテランと呼ばれる年齢だし、キャプテンマークを巻き、自分のプレー以外の責任を負う事は理解できるのですが、思いっきりシュートをふかし頭を抱えていたあの若かりし気頃の彼のイメージが強すぎるのかもしれません。現在のゴールゲッターとしての能力や、足もとの技術に対してはリスペクトしますが、おそらくあの当時のやんちゃな彼が僕の中では、ずっとてティエリ・アンリなのでしょう

The Chapters of Dub/ENDLESS DUB

[,w200,h150][,w200,h150]

ジャマイカカリブ海に浮かぶ夢の島である。東京やニューヨークでは異常に早く過ぎる一秒一秒も、ここでは潮の満ち干気のようなスロウテンポで、やってきては去って往く。ひなが一日浜辺の木陰でくつろいでいれば、水平線の遥かかなたに、あるいは青空の向こう側に、時がゆっくりと吸い込まれ、消えていくのを実際に見ることが出来る。・・・・ジャケ解説引用
つまりはジャマイカのひとつの側面、楽園をイメージしている描写は此処ジャマイカでなくても数あるビーチリゾートになぞられるわけでして、此処がジャマイカであり、レゲエミュージックであるのは、楽園に隠された反対側の側面でもある、その混沌としたジャマイカの生活そのものが、生命力に満ち溢れそこに生きる人々のものである事によるものが大きいわけであります。ギャップこそが、ジャマイカの魅力で、そこでの生活に根ざしているレゲエそのものではないかと考えてしまいますが。
ところで本エントリのThe Chapters of Dub/ENDLESS DUBですが、amazon等色々調べては見たんですが、どうにもこうにもあまり詳しい情報がなかったんで、気になっていたCDという事もあり、見切り発車でエントリさせていただきました。
簡単にまとめると、ポリスターレーベルがコンピでリリースしたCDのベストトラックをダブにしたものでして、内容は70年代80年代のビルボードヒットクラッシックスをジャマイカのローカルシンガーが歌ったといういかにもという企画なんですが、ただトラックがすべて東京で、日本人が行っているという点がミソでして、それだけにどことなく綺麗にまとまっていて、ジャマイカ産ダブのトリップ感があまり感じられないのですが、よく言えば機械的でひんやりとした・・・まあなんというのでしょうか、上手くまとまっているし原曲の崩し方も程よいし、かなりレゲエ、それもダブ好きのプロデュースチームが作り上げたと推測いたします。まあコンピが売れてしゃれの部分で作った部分が大きいでしょうが結果的に企画が良かったのでしょう、15年たっても古さを感じさせないし、完成度は高いと思います(歌入りのコンピは未聴ですが、それらはたぶん時代を感じるような気もします)。
それにしてもこのジャケはどうなんでしょう。ジャマイカだけにラムなのか、それともビール(確か現地にも赤いラベルのビールがあったような気がしますが)なのかどっちか分からないというのが、音がいいだけに唯一しこるところですが。


1993年07月25日発売
1.Jmaica Say You Will 2.I Can't Go For That 3.Listen To The Music 4.I'm A Camera 5.This Masquerrade 6.Do You Really What To Hurt Me 7.Fly Like An Eagle 8.Antonio's Song 9.Mr. Tambourine Man 10.Holding Back The Years 11.What's Goin' On 12.Man In The Mirror 13.Rock Your Baby 14.Her Town Too 15.Take Me Back To Then 16.Blame It On The Night
原曲は有名なものばかり、おまけに"ジャクソン・ブラウン"カバーで始まるあたりニヤリとさせられます。