富樫雅彦/LIVE AT DOLPHY

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「音楽なんて、歌っちゃいけない音楽なんてないんだよ!」って大友康平*1が映画でのセリフで言っていましたが、今思えば、これって彼的には非常に際どい発言だったんでないないでしょうか。純粋に音楽が誰のものなのかは、最近K室氏が捕まってしまった経緯も考えると、非常に難しく音楽の本質が何なのか分らなくもなってきます。
さて、富樫雅彦ですが、彼の中ではどうだったのでしょう。そもそもジャズはその辺の考え方はシンプルで、昔あった偉大な曲から、そうでない曲までありとあらゆるものが再演され、それが録音されているものもあれば、そうでないものもある訳です。たまたま運よく録音されたものを僕らが聴いているにすぎないのです。特に彼に限ったわけではないのですが、重大なトラブル(フィジカル的な音楽演奏上)を抱えたもののそれを克服して、再起したミュージシャンが「音楽に歌っちゃ(演奏しちゃ)いけない音楽なんてないんだよ!」と言うわけないし、言ってる時点でビジネス臭く、なにか企んでいると疑ってしまいます。*2
ところで本題のこのアルバムですが、何しろ評価が難しいと思います。フリージャズ自体をあまり僕自身が消化しきれてないこともあるのですが、拒絶反応を起こしそうな不協和音はなく、しかし同じリズムやテンポできざまれた演奏が続くリピートされていく高揚感があるわけでもないのです。「この曲はこうだよって」言う提示をするよりも、「どうやって聴こえてきている?」って音楽を聴く者たちへ優しく問いかけているようです。そうだからか聴くシチュエーションによっても変わってくるのではないでしょうか。
*1
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ライヴ

ライヴ

*1:言わずと知れたハウンドドックです。マジ彼の心境がこの映画まんまの心境でビジネスが関わっていてほしくないですが、なぜかそう思えずこのシーンについても自虐というより、売名かと思えてしまいました

*2:彼は山下達郎と竹内まりあのファンで自分の曲を山下達郎の英語詞で大物歌手に歌わせる企画があったとのことですが、あまりに自分の音楽とかけ離れるのではという事で自体で企画はボツとなったそうです