奥村チヨ/奥村チヨ

奥村チヨ さんです*1。和モノです。Jポップってのも変ですし、仕方なくジャンル分けをすればこういう事になります。
彼女の軌跡がわかる本盤です。ボーカルスタイルの変遷、特に初期のあどけなさは狙いなのかもしれませんが、どんどん女の色気を出していくあたり彼女の意向というよりプロデューサーの意向でしょうが、これだけでも彼女の力量がわかります。こういった注文ををこなすのがいわばアイドル歌謡歌手の宿命なのでしょう。この頃のアイドルは人生をアイドルであることに捧げていましたし、その価値をリスナーが感じとってくれていたし、それが一つのビジネスとなっていたので仕方ないのかもしれませんが。しかしそういうシステムがあったおかげで職業作曲家、作詞家、編曲家といった住み分けが出来、その中から優秀な才能が何人も輩出されたのでしょう。*2

奥村チヨ

奥村チヨ

*1
*2

*1:初期は和製シルヴィ・バルタンとして売り出されていたこともあってか、スタイル的にピチカートファイブの存在が気になって仕方がないんですが

*2:彼女の楽曲でも作曲している筒美京平さんなんてまさにこの時代が生み出した偉大なる天才でしょう、それにジャンルなんて関係なく音と名のつくものなら何でもこなした職人的な気質があるのもこの頃の人たちの特徴でしょう